FFRIセキュリティ(3692)
2025年5月21日 10:20現在の株価は4800円(-210円)となっています
株価は5月中旬以降、急騰基調となっています。新興市場全体に資金が流入する環境が追い風となり、同社への市場の注目度が一段と高まっている状況です。
そのような中で、直近の好調な決算発表(2025年5月14日発表)も材料視されています。2025年3月期の決算では、営業利益が前年同期比64.1%増の8.17億円となり、従来予想の5.15億円を大きく上回りました。加えて、期末配当を従来計画比で4円増額し14円(前期は10円)とする増配も発表され、投資家から高く評価されました。
FFRIセキュリティ(3692)は独立系のサイバーセキュリティ専業企業です。標的型攻撃への対策を得意とし、主力製品「ヤライ」をはじめとする国産ソリューションを展開しています。官公庁から企業、個人まで幅広い領域で導入が進んでおり、研究開発に裏打ちされた高度な技術力を強みとしています。
なお、この銘柄は弊社の有料レポートにおいて2500円台前半で取り上げた経緯があり、足元の動きの背景には、投機色の強い資金が水面下で関与していると見られます。
さらに、最近報道されたオンライン証券口座の乗っ取り被害も、FFRIセキュリティへの追い風となった可能性があります。楽天証券やSBI証券など、国内の主要証券会社において不正アクセスが相次いで確認されており、深刻な事例が報じられました。この事件を通じて、個人投資家や証券業界全体が、サイバーセキュリティの重要性を改めて認識するきっかけとなったと考えられます。
このように、株価上昇の背景には、決算発表による短期的な需給だけでなく、サイバーセキュリティを取り巻く複数の要因が複合的に作用していることが確認されます。
サイバー攻撃は、国家安全保障のみならず、個人資産の保護にも直結する課題となっており、その都度セキュリティ関連銘柄に注目が集まる構図が定着しつつあります。FFRIセキュリティは、国産かつ高性能なセキュリティ製品を提供する企業として、今後の市場においても一層の期待が寄せられる立場にあります。
※ FFRIセキュリティ(3692)の日足
株価の動きを見ても、5月15日と16日に連続して急騰し、出来高も100万株を超える水準に膨らんでいます。これは短期筋の買いだけでなく、中長期を視野に入れた資金の流入も始まっていることを示唆しているといえるでしょう。
もっとも、オシレーター系のテクニカル指標に目を向けると、依然として買いシグナルは継続しているものの、短期的な過熱感から一時的な調整が入る可能性もあります。需給バランスの変化により、目先は押し目を形成する局面も想定されますが、こうした動きはあくまで一時的であり、昨今のサイバーセキュリティを取り巻く環境を踏まえると、中長期的には株価の上昇基調が続くと考えられます。
このように、業績の堅調な伸び、政策支援への期待、社会的事件による注目の高まり、そして需給環境の好転といった複数の要因が重なり、FFRIセキュリティの上昇トレンドは一過性ではなく、持続的な動きへと発展していると見られます。
今後もサイバー攻撃に関する事件や新たな政策発表があるたびに、セキュリティ関連銘柄に資金が流入する展開が続くことが想定されます。その意味で、FFRIセキュリティは将来性の高いテーマ株として、中長期的に注目すべき存在と言えるでしょう。
弊社では、個別材料株を取り巻く多様な市場環境を踏まえ、今後の相場展開において有望な短期投資チャンスを的確に捉えることを目指しています。収益機会を最大限に活かすべく、すでに今後急騰が見込まれる銘柄を複数選定し、継続的に動向を注視しています。
また、これまで物色の中心となっていた銘柄とは異なる、新たなテーマや資金の流れに沿った銘柄群が台頭してくる展開も十分に想定されます。こうした短期物色に適した注目銘柄については、今後も弊社の有料レポートにて、詳細な分析とともに取り上げてまいります。