メドレックス(4586)
2025年9月26日の終値は175円(+50円)となっています
FDA承認を契機に9月25日・26日に連続ストップ高となり、短期資金の流入が一気に高まったことで市場は大きく揺れました。このメドレックス(4586)の株価急騰は本当に持続可能なトレンドなのか、それとも一時的な熱狂にすぎないのか。投資家にとって、この問いが今もっとも重要なテーマといえます。さらに、直近の決算発表以降の推移を振り返ると、単なる材料以上に投機色の強い展開となりやすい構造が浮かび上がります。
メドレックス(4586)は、独自の経皮吸収型製剤技術に強みを持つ創薬ベンチャーです。米国市場を中心に開発パイプラインを有しており、経口投与が難しい患者への投与や、無痛での投与が可能となる経皮吸収型医薬品(貼り薬や塗り薬)を主力としています。また、マイクロニードルアレイ技術の研究開発にも注力しており、差別化された製剤技術で存在感を示しています。
また、この銘柄については、弊社の有料レポートにて6月下旬に投機筋関与の急騰候補として取り上げ、72円付近で配信した経緯があります。
※ メドレックス(4586)の日足
もともとメドレックスは赤字基調が続き、業績面での安定性には課題があります。しかし、こうした中で臨床試験やFDA関連のイベント、新株予約権の発行や行使といった需給要因が重なり、短期資金が仕掛けやすい状況が繰り返されてきました。
特に8月12日以降は出来高が急増しており、株価が数営業日で7割近く上昇するなど、典型的な短期資金主導の値動きが見られました。この構造こそが、投機色の強い展開を生み出す背景といえます。
また、今週の急騰(9月25日・26日)については、FDA承認ニュース自体の株価に与える影響は大きく、中長期的にはポジティブ材料です。しかし、このファンダメンタル要因だけで2日連続ストップ高というのは、やや行き過ぎ感が否めません。そのため、こうした過熱は、背後で資金を誘導してきた投機筋の存在が大きいと考えられます。
彼らは新株予約権の行使や承認イベントといったニュースを巧みに利用し、短期需給を支配する戦略を取ってきました。例えば、行使完了による希薄化懸念が後退した直後に承認期待が高まり、資金を一斉に流し込んでストップ高に張り付ける手法は、仕掛け的な相場形成の典型例といえます。需給の偏りを利用し、「売りが出ない状況」を強制的に作り出すことで、短期間に株価を吊り上げてきた印象があります。
日足に目を向けると、時価は25日移動平均をはじめ主要移動平均線を上回って推移しており、上昇トレンドが鮮明です。9月26日の終値は175円でボリンジャーバンドの上限を大きく突破し、RSIも70台に乗せて過熱感を示しています。
また、MACDはゴールデンクロスを形成しており、短期的な買いシグナルが点灯しています。さらに、今週最終の二日間の急騰でボリンジャーバンドが再び大きく拡張しており、これは相場の勢いが極端に強まっている兆候です。ただし、バンド拡張とRSI過熱が同時に出ている局面は反落のリスクも高く、ボラティリティの大きさを意識する必要があります。
現状をどう見るかについては、トレンドに従うことが得策といえます。短期的には上昇トレンドが鮮明ですが、過熱感も同時に高まっており、トレンドが崩れた際にはドライに撤退する姿勢が望ましいでしょう。具体的には、125円を明確に維持できるかどうかが一つの分岐点であり、この水準を下回れば需給が一気に悪化する可能性があります。
一方で、195円を終値で突破して定着できれば、再度強気判断に転じる余地があると考えられます。195円は過去の節目であり、戻り売りが強く意識されやすい水準でもあるため、このラインを超えられるかどうかが今後の焦点となります。
総じて、メドレックスは投機筋の影響を強く受けやすい銘柄です。来週は相場の過熱感を冷静に見極める必要があり、承認後の商業展開や実際の売上計上が意識されるのはまだ先です。それまでは需給と短期的な思惑が相場を主導すると見られます。今は「持続可能な上昇トレンドというより、投機的な相場に乗るかどうかを冷静に判断する局面」であり、分岐点を意識した機動的な対応こそが投資家に求められる姿勢といえます。
弊社では、個別材料株を取り巻く多様な市場環境を踏まえ、今後の相場展開において有望な短期投資チャンスを的確に捉えることを目指しています。収益機会を最大限に活かすべく、すでに今後急騰が見込まれる銘柄を複数選定し、継続的に動向を注視しています。
また、これまで物色の中心となっていた銘柄とは異なる、新たなテーマや資金の流れに沿った銘柄群が台頭してくる展開も十分に想定されます。こうした短期物色に適した注目銘柄については、今後も弊社の有料レポートにて、詳細な分析とともに取り上げてまいります。