今週の東京市場、政策期待と米信用不安のせめぎ合い!? 調整か再浮上か

 

先週末(17日)の東京株式市場では、日経平均株価が前日比695円安の4万7582円と大幅に下落し、投資家心理が冷え込みました。週明けにかけては、米国市場の動きや国内の政治イベントを意識しながら、方向感を探る展開が見込まれます。

 

今週(10月20日〜24日)は、内外の注目イベントが重なります。国内では自民党と日本維新の会による連立協議が最終局面を迎えており、20日に政策合意、21日に首相指名が行われる見通しです。高市早苗氏が新首相に選出されれば、行政改革や規制緩和、減税などの政策期待を背景に、内需株や中小型株への資金流入が強まる可能性があります。一方で、協議が難航すれば「不透明感の長期化」として上値を抑える要因になり得ます。

経済面では、23日に日本の9月全国CPI(消費者物価指数)、24日に米国の9月CPI(延期分)が発表予定です。日本では物価上昇率の鈍化が確認されれば、日銀が29〜30日の金融政策決定会合で現状維持を選択する可能性が高まります。米国ではCPIが予想を上回れば金利上昇とドル高を通じてグロース株や新興市場に逆風となる一方、弱めの結果なら金利低下を背景にリスクオンへ転じる可能性があります。

為替市場では、米金利動向を見極めながらドル円が150円台前半で推移しています。円安が続けば輸出株は底堅い動きを維持する一方、内需セクターにはコスト増が重荷となります。先物市場では47,000〜48,000円のレンジでの攻防が想定され、上値を試すには政策面での明確な好材料が必要です。

 

米国ではハイイールド債市場からの資金流出や地域銀行の減損懸念など、信用不安の火種も残っています。すぐに金融危機へ発展する状況ではないものの、投資家心理を冷やしやすく、短期的なリスクオフ要因として意識されています。

また、信用コストの上昇や金利高止まりが続けば、グロース市場は調整圧力を受けやすい状況が続きます。先週の東証グロース市場250指数は約5%下落し、中小型株を取り巻く環境は厳しさを増しています。週前半には一時的なリバウンドも見られましたが、週後半は再び軟調で短期筋の売りが優勢でした。

このため、足元では短期的な調整入りの可能性が高まっています。米金利の高止まりや信用不安が再燃すれば、投資家心理はさらに慎重になりやすく、グロース指数全体にも下振れリスクが残ります。ただし、200日移動平均(706ポイント付近)で下げ止まる動きも見られ、今週以降はこの水準がサポートとして意識されそうです。

一方で、調整が一巡すればグロース市場の見直し買いが入る展開もあり得ます。政策支援や国内成長テーマへの期待が下支えとなり、日銀が現状維持を続けて金利上昇圧力が和らげば、リスクマネーがグロース銘柄へ戻る可能性があります。

 

総じて、今週の東京市場は「政策期待」と「海外金利・信用不安リスク」の綱引きが続きそうです。短期的には調整局面を警戒しつつも、政治の安定と物価の落ち着きが確認されれば、再び株高基調が強まる可能性があります。市場参加者にとっては、米CPIや日銀会合を見据えたリスク管理と押し目買いの好機を見極める週となりそうです。