大阪チタニウム(5726)
2025年10月24日の終値は2687円(+229円)となっています
9月4日の高値示現後は調整局面が続いていた大阪チタニウム(5726)ですが、きょうは株価が2,687円まで急伸し、前日比で9%を超える上昇となりました。明確な材料は確認されていないものの、投資家心理の変化を映した動きとみられます。この動きは直近一カ月で最も強いものであり、7月末以降の上昇基調のなかでも際立つ勢いを示しています。11月11日に控える第2四半期決算への期待も重なり、市場の注目が再び集まりつつあります。
大阪チタニウム(5726)は、高品質なスポンジチタンの世界トップメーカーであり、航空機向けチタン材に強みを持っています。軽量かつ高強度という特性を生かし、同社の製品は航空機の機体・エンジン部品をはじめ、化学装置や発電、一般産業分野など幅広く活用されています。
またこの銘柄に関しては、弊社有料ポートにて投機性の高いファンド資金介入案件として、1460円台で配信した銘柄です。配信当時の時価総額はおよそ500億円程度の小規模の銘柄であり、値動きの軽さが際立っていました。現在は株価上昇に伴い時価総額が989億円規模に拡大しているものの、今後の値動きで戻り基調を強めるようであれば、短期資金の流入がさらに加速する可能性があります。
※ 大阪チタニウム(5726)の日足
日足に目を向けると、7月末時点の株価は1,600円前後で推移していましたが、8月7日に通期業績予想を上方修正したことで上昇トレンドへの転換点を迎えました。8月末にはボーイングや中国航空会社の大型発注報道をきっかけに航空機関連株が買われ、9月にはスポンジチタンの輸出量が過去最高水準に達したと伝えられたことで需給の引き締まりが意識されました。その後はいったん調整を挟みながらも下値を切り上げる展開が続いており、次の展開を見極める局面にあります。
第1四半期決算ではボーイング社の品質問題やストライキの影響が残ったものの、エンジン整備需要やエアバス向け需要は底堅く推移した可能性があります。輸出売上は前年同期比15%増を記録しており、世界的な航空機製造の回復とサプライチェーンの再編が追い風となりました。これにより、チタン製品は再び戦略素材としての地位を高めつつあります。
8月7日に公表された通期予想では、売上高52,000百万円(前回比+2.0%)、経常利益4,200百万円(同+20%)と上方修正されました。背景にはスポンジチタン販売数量の増加があり、数量ベースでの業績改善が明確に示されました。さらに、ロシア依存度の低下を受けた供給再編の流れが続いており、中長期的な需給構造の改善も評価材料となっています。
24日は出来高が大幅に増加し、大陽線を形成しました。需給転換を伴う新たな上昇波の起点となる展開も想定されます。前週までの2,300円台のもみ合いを明確に上抜けたことから、売り圧力を吸収したうえでの買い転換とみられます。現状ではトレンドに従う戦略が有効であり、25日移動平均線(2,400円前後)を下回らない限り、上昇トレンドの優位性は保たれます。
今後の焦点は9月4日の年初来高値3,035円の突破です。この水準を終値で明確に超えると、Wボトム型のチャート形成が完成し、3,200円近辺までの上値余地が生じます。一方で、2,550円を割り込むと短期の上昇モメンタムが弱まり、2,400円付近までの押し目を試す可能性があります。現状のモメンタム指標は回復基調に入った段階と判断され、上昇エネルギーが再び高まりつつある状況です。
また、24日時点では高市政権による積極財政・防衛補強・安全保障・産業支援策が既に報じられており、この点も10月の底堅い値動きに影響したとみられます。さらに、来週予定されている日米首脳会談を前に、日米の政治・経済関係の強化や航空機・部品・輸出関連での協力加速が連想されやすい局面となっており、同社のような航空機部材供給企業にとって中期的な好材料となる可能性も意識されています。
11月10日に予定されている決算発表では、航空機向け輸出の拡大や円安効果がどの程度業績に反映されるかが焦点となります。数量増加と為替メリットが確認されれば、9月高値の再突破は十分に現実的です。短期的には2,800円付近が支持線として意識され、3,050円を明確に上抜ければ新たな強気サインとなります。一方で、2,400円を割り込むと上昇トレンドが一服する可能性があり、2,600円前後が中間的な分岐点として注目されます。
2,600円を維持できれば上昇継続、3,050円超で第2波入りが視野に入ります。テクニカルとファンダメンタルの両面から強気基調が確認される今の局面では、トレンドフォロー戦略が有効です。大阪チタニウムは再び航空機関連セクターの主役候補として注目されており、年末にかけて相場の焦点となる可能性が高いと見ています。
弊社では、個別材料株を取り巻く多様な市場環境を踏まえ、今後の相場展開において有望な短期投資チャンスを的確に捉えることを目指しています。収益機会を最大限に活かすべく、すでに今後急騰が見込まれる銘柄を複数選定し、継続的に動向を注視しています。
また、これまで物色の中心となっていた銘柄とは異なる、新たなテーマや資金の流れに沿った銘柄群が台頭してくる展開も十分に想定されます。こうした短期物色に適した注目銘柄については、今後も弊社の有料レポートにて、詳細な分析とともに取り上げてまいります。


