岡本硝子(7746)
2025年10月29日の終値は346円(+32円)となっています
岡本硝子(7746)は、9月以降の上昇基調を背景に投資家の注目を集めてきました。短期的な調整を挟みながらも、株価は下値を切り上げる展開が続いています。この相場の背景には、生成AIやxEV関連といった期待が先行する動きがあります。中小型株市場が調整局面にあるなか、この思惑主導の相場がどこへ向かうのかが投資家の関心を集めています。
同社は、光を扱う特殊加工ガラスと薄膜製品のメーカーです。素材・成型・薄膜技術に強みを持ち、プロジェクター用反射鏡や車載光学部品、発光半導体向け高放熱基板などを展開しています。これらの製品はAIデータセンターやxEV分野の需要拡大と密接に関連しており、今回の相場テーマにも直結しています。
また、この銘柄は、8月~10月に掛けて弊社の有料レポートにおいて3度取り上げた経緯があります。当時はテーマ性や値動きの軽さ、成長余地に着目して配信を行いました。
9月以降の岡本硝子は、MSワラント(第10回新株予約権)の大量行使完了によって希薄化懸念が解消され、短期資金の流入で急騰しました。9月10日から12日にかけて株価は190円台から390円近辺まで上昇。その後の反落を経て、10月には再び見直し買いが強まりました。再浮上の契機は、9月24日のオーク製作所との協業によるフライアイレンズ採用、そして10月24日に公表された窒化アルミニウム放熱基板の量産出荷です。いずれもAI半導体やパワー半導体の熱問題を解決する技術として注目され、生成AIやxEV需要を背景に「テーマ株」として物色が続いています。
ただし、量産出荷は始まったばかりで、収益寄与は中長期的な見通しにとどまります。AI関連テーマへの期待が先行し、実需よりも思惑で株価が動いているのが現状です。短期的な上昇が続く一方、過熱修正のリスクも意識する必要があります。
さらに、決算発表予定日(2025年11月14日)が近づいており、業績内容が株価に影響する可能性があります。決算が市場予想を上回ればテーマ性が再び強化される一方、収益進捗が弱ければ期待先行の相場に調整圧力がかかる展開も考えられます。
※ 岡本硝子(7746)の日足
テクニカル面では25日移動平均線が上向きに転じ、株価はその上で推移しています。10月後半にかけて下値切り上げが確認され、出来高を伴う陽線も増加しました。MACDはゼロラインを上回り、RSIも60台半ばと、過熱感を抑えながら上昇余地を残す状態です。ボリンジャーバンドの+1σを終値で維持しており、短期的な上昇基調は続いています。
今後の分岐点としては、300円前後の支持線を維持できるかが焦点です。この水準を守れば上昇トレンドが続く可能性が高く、反対に300円を割り込むと25日線割れから調整入りの懸念が強まります。一方で、370円を終値で上抜ければ9月高値圏(400円)を再び試す展開も視野に入り、強気転換のサインとなります。
現状では、テーマ性を重視する投資家にとって「生成AI×放熱材料」という構図は依然として魅力的です。ただし、市場の評価が先行している面があり、300円割れの場合は需給悪化による調整圧力に注意が必要です。岡本硝子の株価は“AI時代の素材関連株”として中長期の成長性を秘めながらも、短期的には投機的資金に左右されやすい局面です。今後は、業績の進展や新規受注など、具体的な成果の確認が上昇トレンドを持続できるかどうかの鍵となりそうです。
弊社では、個別材料株を取り巻く多様な市場環境を踏まえ、今後の相場展開において有望な短期投資チャンスを的確に捉えることを目指しています。収益機会を最大限に活かすべく、すでに今後急騰が見込まれる銘柄を複数選定し、継続的に動向を注視しています。
また、これまで物色の中心となっていた銘柄とは異なる、新たなテーマや資金の流れに沿った銘柄群が台頭してくる展開も十分に想定されます。こうした短期物色に適した注目銘柄については、今後も弊社の有料レポートにて、詳細な分析とともに取り上げてまいります。


