個別株投資は、広大な金融市場の中でも局地戦です。投資機会を活かすためには、市場全体の動きやマネーの流れを把握しておくことが、個別株物色においても欠かせません。
大型連休明けとなった今週の東京株式市場は堅調に推移し、日経平均は3万7503円で今週の取引を終えました。4週連続の上昇となり、上値を追う地合いが続いていますが、2月のトランプショック以前に付けた3万8000円台後半には、なお届いていません。
今週の上昇の背景には、米中協議の進展期待やドル円が145円台前半まで円安が進行し、輸出企業の業績改善期待が株価を押し上げました。
さらに、国内企業の決算発表も市場を動かす要因となりました。好調な業績を発表した銘柄には買いが入った一方で、減益や慎重な見通しを示した企業には売りが出るなど、選別色が強まる展開となりました。
また、日本とアメリカの金融政策が当面大きく変わらないとの見方が広がり、投資家心理が安定したことも指数の上昇に寄与。
ただ、大型株への物色が広がった一方で、グロース市場を中心とした小型株はやや勢いを欠いています。気になる点ではありますが、グロース250指数の動きを見る限り、目立った下落は見られず、今後の相場展開によっては再び買いの流れが強まる場面も想定されます。
来週は、引き続き企業決算の内容や米中関係の進展、為替の動向が市場の注目材料となります。上昇トレンドが続く中、押し目を狙う慎重なスタンスが求められる場面といえるでしょう。