デジタルグリッド(350A)
2025年7月31日の終値は10420円(-240円)となっています
ここ最近は上値の重い展開が続くデジタルグリッド(350A)ですが、短期的な調整ムードが漂う状況です。
日足は、25日移動平均をかろうじて維持しているものの、MACDはデッドクロス継続、RSIは52台と中立ながら、上昇モメンタムの鈍化が確認されます。出来高も14万株程度にとどまり、エネルギー不足の下落であることを示唆しています。
ただし、これはあくまで短期的な動きにとどまります。中長期的には、同社のビジネスモデル・成長性・需給構造を踏まえても、依然として強気スタンスを維持すべき局面といえます。
デジタルグリッド(350A)は、再エネの需給最適化を図る統合型エネルギー管理システム「DGP(Digital Grid Platform)」を提供。主に法人需要家や再エネ発電事業者、地域のエネルギー企業向けに、電力取引や環境価値証書の一元管理機能をクラウドで提供し、電力DXを支援しています。
また、この銘柄に関しては、4月下旬に弊社の有料レポートにて5000円付近で取り上げた銘柄でもあります。当時は短期的な値動きの軽さに注目が集まり、某投機系ファンドの仕掛けが、相場の動意を後押ししました。
デジタルグリッドの第3四半期決算(6月13日発表)では、売上高47.9億円(前年比+112%)、営業利益23.7億円(同+117%)と過去最高を更新。通期業績の進捗率も営業利益で101%を超え、上方修正の可能性が意識される水準です。
また、7月にかけては、同社が展開するコーポレートPPAマッチングプラットフォーム「RE Bridge」の進展が相次いで報じられました。特に、第5回オークションにおいて初めてマッチング容量が100MWを突破したことや、登録発電家数が100社を超えたことなどが市場のテーマ性を後押ししました。
5月以降の株価急騰は、好調な業績やこれらIRに加えて、上記の投機系ファンドによる仕掛け的な値動きも影響していたと見られます。6月中旬から7月上旬にかけては、出来高を伴う連日の上値追いが目立ち、意図的に需給転換を促す動きが見られました。
この投機系ファンドは、グロース市場銘柄やIPO銘柄に対する仕掛けを得意としますが、最近はテーマ性の強い中型株を新たな標的としてきたようです。需給の転換点を狙って買いを集中させ、流動性が後追いする形を作る戦術が、本銘柄の急騰局面でも確認されました。
※ デジタルグリッドの日足
日足に目を向けると、目先はテクニカル的に25日移動平均(10,178円)や心理的節目である10,000円を維持できるかが重要な焦点です。割り込んだ場合は、次のサポート帯は9,000円水準に存在します。ただし、出来高急減や外部要因によるネガティブサプライズがなければ、これらの水準では押し目買いが入りやすいと見られます。
今後、9月の通期決算や第6回RE Bridgeオークションなどを控え、再び材料が意識されるタイミングまでは、一定の期待感が継続しやすい展開が想定されます。仮に目先で調整局面に入ったとしても、押し目形成後は11,000円台の回復は比較的早いと見ています。
投資家としては、短期的な値動きに振り回されず、中長期での再成長シナリオを踏まえたポジショニングが有効です。仮に直近で調整が入っても、それは健全な相場のリズムであり、戦略的には押し目買いが有効といえるでしょう。
弊社では、個別材料株を取り巻く多様な市場環境を踏まえ、今後の相場展開において有望な短期投資チャンスを的確に捉えることを目指しています。収益機会を最大限に活かすべく、すでに今後急騰が見込まれる銘柄を複数選定し、継続的に動向を注視しています。
また、これまで物色の中心となっていた銘柄とは異なる、新たなテーマや資金の流れに沿った銘柄群が台頭してくる展開も十分に想定されます。こうした短期物色に適した注目銘柄については、今後も弊社の有料レポートにて、詳細な分析とともに取り上げてまいります。