三井金属(5706) 株価2倍の急騰劇 AI関連素材株としての新たな視点、今後の「のびしろ」を分析

 

三井金属鉱業(5706)
2025年8月27日の終値は10120円(+317円)となっています

三井金属鉱業(5706)の株価は、7月以降およそ2か月弱で約2倍に達し、8月27日の終値は10,120円となりました。RSIは80台と強い過熱感を示し、PERも34倍と非鉄金属セクターとしては高水準です。短期的な調整リスクを抱えつつも、ここからさらに伸びしろがあるのか注目されています。

 

三井金属鉱業(5706)は、非鉄金属製錬や機能材料を手がける大手メーカーです。亜鉛中心の金属事業に加え、キャリア付極薄銅箔や高周波基板用電解銅箔を生産する機能材料事業を展開し、これら銅箔は世界トップクラスの市場シェアを誇ります。特に高性能銅箔「VSP」はAIサーバーや半導体向け需要が急増しており、AI関連事業として存在感を高めています。

また、この銘柄に関しては、弊社有料レポートにて6月中旬に4700円台で配信した銘柄でもあります。バリュー株物色の流れに注目し、AI半導体素材株としてのテーマ性を重視して取り上げた経緯があります。

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※ 三井金属鉱業(5706)の日足

 

最近の株価を押し上げている主因はAIデータセンター向け高性能電解銅箔「VSP」の需要急増です。同社はVSPの月産能力を580トンから840トンへ45%増強する計画を発表しており、2026年9月までに増産が完了する見込みです。このVSPはAIサーバーや半導体パッケージ基板に不可欠で、競合が限られる寡占市場であるため、高収益が見込まれます。

また、機能材料セグメントの収益性向上も成長ドライバーです。2025年8月8日に発表された第1四半期決算では、通期営業利益予想を460億円へと上方修正し、前回予想から40億円増加しました。機能材料セグメントは前年比で売上・利益ともに2桁増を見込み、全体の営業利益の約7割を担う見通しです。

株価水準については、従来の非鉄金属(素材)株として見れば割高ですが、市場はAI関連銘柄としてのプレミアムを織り込んでおり、グロース株として再評価が進んでいます。短期的には調整局面を挟む可能性もあるものの、中長期的にはAI需要拡大と増産ストーリーを背景に上昇余地は大きいと考えられます。日足チャートでは依然として上昇トレンドが続いており、上昇基調が続く強含み局面とみられます。

 

今後の見通しとしては、AIサーバー需要の継続拡大やVSP増産効果が業績を押し上げる可能性が高いと考えられます。一方で、短期的には過熱感への警戒も必要です。投資家としては、上昇トレンドを活かしつつ押し目を狙う戦略が有効であり、中長期的には成長テーマを背景に強気姿勢を維持する選択肢もあります。

これらを踏まえると、この銘柄に取り組む際は、短期的な値動きに惑わされず、テーマ性や需給動向の注視が重要です。資金管理を徹底し、リスク許容度に応じたポジション構築を行うことで、中長期的な成果を得やすくなるでしょう。

 

 

弊社では、個別材料株を取り巻く多様な市場環境を踏まえ、今後の相場展開において有望な短期投資チャンスを的確に捉えることを目指しています。収益機会を最大限に活かすべく、すでに今後急騰が見込まれる銘柄を複数選定し、継続的に動向を注視しています。

また、これまで物色の中心となっていた銘柄とは異なる、新たなテーマや資金の流れに沿った銘柄群が台頭してくる展開も十分に想定されます。こうした短期物色に適した注目銘柄については、今後も弊社の有料レポートにて、詳細な分析とともに取り上げてまいります。

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